救命救急センターは症状が重く、緊急性の高い三次救急の患者さんを24時間体制で受け入れています。救命救急センターを舞台にしたドラマの影響などから認知度も高くなり、救命救急センターで働きたいと思って看護師の配置換え希望や転職をする看護師が増えています。
このような現状から救急対応へと移る看護師たちが実際に働きだすとイメージと違っていたことや、忙しくプレッシャーと戦う勤務から続けることが難しくなってしまう看護師も中にはいます。では、救命救急センターなどの、救急対応の仕事をメインに働く看護師に求められる資質と心構えについて考えましょう。
どの仕事でも向上心とやる気は必要です。しかし、救急対応を求められる看護師に関しては、向上心とやる気は他の仕事よりもさらに大きくなければなかなか務まりません。
救命救急センターには、生命の危機に瀕している患者さんが24時間、予期できないタイミングで運ばれてきます。そして運ばれてきた患者さんの疾患は多種多様であり、例を挙げていくときりがないほどの疾患に適した対応をしなければなりません。あらゆる疾患や外傷を取り扱っているので診療科の領域も広く、一つの科目にのみ詳しくても、運ばれてきた患者さんの疾患に通用する方が少ないです。
そのため、救急看護師は様々な診療科の疾患、外傷の知識や技術が広く深く求められます。さらに重篤な患者さんが多いので、調べている時間などもなく、自分の頭に入っている知識から適切な処置を見つけ出すことになります。また、一般病棟では使わないような最新の医療装置や医療器具があります。これらを扱うのも救急看護師の仕事です。
これらの仕事内容から、救急看護師は勉強することがたくさんあり、難しいことにも直面することが多いです。こういったことを乗り切るには、強い向上心と高いやる気が必要不可欠です。
救急看護師の心構えとしては、常に成長したい気持ちと、人を救いたいというやる気が必要ですが、資質としては体力面が求められます。救急対応は24時間、常に患者さんを受け入れられるようにスタッフの数は常時同じです。そのため、夜勤が一般病棟よりも多くなり、夜勤中も重症な患者さんを対応し、その間にも救急車から搬送される患者さんの対応も求められます。こういった場合に、集中力を切らさずに長い時間患者さんに対応し続けることのできる体力が必要と言えます。